遠いむかし、丸子の里にひとりの猟師が住んでいました。ある日猟師が山に狩にでかけて、獲物はいないかと探していたところ、猟師の目の前に一頭の鹿が飛び出してきました。鹿は、猟師が今までに見たこともないような大層立派な美しい鹿でした。猟師はさっそく鹿を射止めようと、矢を放ちました。矢は鹿の背中にあたり、見事鹿を射止めたかのように見えました。しかし鹿は背中に矢を突き立てたまま、山の奥へ奥へと逃げて行ってしまいました。猟師は、せっかく見つけた立派な獲物を逃してはなるものかと、鹿の後を追って奥へと分け入りました。あちらこちらを探しましたが、あの立派な鹿は一向に見つかりません。猟師があきらめて帰ろうとしたとき、木々の隙間から矢がささった鹿の姿が見えました。猟師が気づかれないようにそっと近くに寄って見てみるみると、怪我をしているはずの鹿が、水溜りで気持ちよさそうに水浴びをしていました。そしてしばらく水浴びをした後、元気に走り去っていきました。その様子を見て不思議に思った猟師は、鹿が水浴びをしていた場所に近づいてみました。するとどうでしょう、猟師がただの水たまりだと思っていた場所から、なんと温泉がこんこんと湧きだしていたのです。猟師は早速村に帰り、村人達にこの話をしました。すると村人達は、きっとその鹿は文殊菩薩様が鹿の姿になって現れたもので、自分達にその不思議なお湯のありかを教えて下さったに違いないと言い、その温泉を大切に守りました。そしてその温泉を鹿が教えてくれた湯だから”鹿教湯”と名付け、病気や怪我をするとその温泉に浸かり、治したということです。 |
温泉データ | |
泉質 | 単純温泉 |
温度 | 45度 |
効能 | 高血圧、動脈硬化、リューマチ、慢性の関節痛 |
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