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士農工商の制度がまだ全盛であった時代、人々は今のように自由に国内を行き来することが、許されていませんでした。特に農民の人達は、土地を捨てて逃げる恐れがあるということで、既に許可が下りている旅であっても、出国時に非常には厳しいチェックがされました。場合によっては出国許可が取り消されてしまうこともありました。今の時代のように「行楽シーズンだからどっかいく?」なーんてことはもっての他だったのです。当時、諸国各地を自由に巡る事が出来たのは、商人や僧侶、旅の芸人といった人達だけでした。しかし、そんな町人や農民にも旅にでるチャンスはありました。伊勢参り等の寺社詣です。伊勢参りといっても、伊勢を詣でたら、さっさと帰ってくるという訳ではなく、人によっては何カ月もかけて、伊勢から京都・大阪を回り、更には金比羅様まで参る人々もいました。当時の人々にとって、寺社詣は唯一許される旅であり、楽しみにしている一大イベントの一つだったのです。そしてその一大イベントを利用して、各地の温泉地を巡り、ちゃっかりと入浴して帰ってくる人達も沢山いたのです。 |
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