時は鎌倉時代。建久3年のある日のことです。源頼朝は家来を伴って浅間狩にでかけました。野山に分け入り、獲物はいないかとあちらこちらさがしていると、一匹の猪が頼朝の前に飛び出してきました。これはいいタイミングだとばかり、頼朝は猪を追いかけました。しかし猪は、はなつ矢をかわしながら奥へ奥へと逃げていってしまいました。あきらめてなるものかと、逃げる猪を追いかけて、頼朝もまた奥へ奥へと分け入っていきました。頼朝が白砂川のそばまで来ると、目の前に湯煙にけむりながら、こんこんと湧きいでる温泉があるではありませんか。さっそく頼朝は狩の疲れを癒そうと、見つけた温泉にはいりました。お湯はとても気持がよく、頼朝はしばらく夢見心地の気分でした。しばらくたってから、ふとあたりをみまわしてみると、先程は湯煙でよく見えませんでしたが、周囲には山桜が咲き乱れていて、それはそれは美しい光景がひろがっていました。更には、お湯一面にその様子が映っていて、まるで別天地のようでした。頼朝は、その光景のあまりの美しさに感動し、「山桜夕陽に映える花敷きて、谷間にけむる湯にぞ入る山」という歌を詠みました。花敷温泉の名前は、その頼朝の歌にちなんでつけられたそうです。また、地名も歌にちなんで入山と名付けられたそうです。 |
温泉データ | |
泉質 | 含食塩石膏泉、弱アルカリ性低張性高温泉 |
温度 | 50〜80度 |
効能 | 皮膚病、婦人病、創傷、慢性関節リューマチ、痔 |
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